#15 会計

チームマネジメント回2回目は「会計」です。「経理」などと名称が変わることもありますが、やることはほとんど同じなのではないでしょうか。

会計の仕事として最もわかりやすいのは部費の徴収です。毎月部費を集め、それを基に材料や工具を買ったり、加工を外注したりします。この購入する際の監査役が別にいることもありますが(というかいた方が望ましいのですが)、チームのプロジェクト全体を通して資金繰りを管理し、無駄な出費ではないかチェックし、経費の支払い等を行うのも会計の仕事です。

CUFPではチームの口座を設けています。集めた部費はこの口座で管理し、チームとして支払う必要のあるものについては、口座を管理している会計が振込等を行います。また、インターネットでの買い物や店舗での買い物など、チームの口座から直接支払えないものについては、一度購入したメンバーに立替をしてもらい、原則毎月立替分を返金するという方法を取っています。

会計担当はチーム全体のお金を一括で管理するため、非常に責任の重い役職です。前述のとおり監査役が別にいるのが望ましい運営体制ですが、チームメンバー数の少ないチームもあり、そもそも会計担当を独立して設置することも難しいチームも多いのではないでしょうか。CUFPでも今年から会計専属のメンバーがいますが、以前は他パート(車両製作班)との兼任だった時期もあり、仕事量も多い会計を兼任することはメンバーへの負担も大きく大変です。専属メンバーがいるからと言って任せきりにしてしまうとチームの資金の動きが不透明になってしまう恐れもあるので、監査役がいなくてもチーム全員がお金のことを把握できる環境を整えておく必要はあります。

#14 渉外

今日からはチームマネジメントについて3回ほどお話します。初回は「渉外」について説明します。渉外はなかなか聞きなじみのない言葉だと思いますが、企業の方とやり取りをする担当のことですね。チームによってこの担当があったりなかったり、あっても名前が違ったりすることもありますが、CUFPでは「渉外」という担当で存在します。

学生フォーミュラ活動は学生だけの力では続けられません。本場のF1ほどはかかりませんが、それでもたくさんのお金が必要になります。部費も徴収しますが、一人当たりの負担を数十万円にもすることはできません。そのため企業様から活動資金をご支援いただき、必要な資材や工具等を購入したり、遠征費に充てたりします。

学校には加工設備がありますが、すべての加工を行うことはできません。高度な加工が必要な部品も数多く存在します。そんな時には加工のプロにご支援いただき加工してもらう必要があります。また、加工費も通常価格よりも安くご案内いただくこともあります。

この他にも数えきれないほどのご支援をいただきながらこの活動は行っています。CUFPでもすべてのスポンサー様とのやり取りを渉外担当が行っているわけではありませんが、新たにスポンサーをお願いする際のやり取りなど、対外的に率先して活動していく存在です。個人的な感想ですが、渉外担当はビジネスメールの書き方が上達しそうです…

どのチームでもあると思いますが、渉外担当だけでなくメンバー全員がチームの名刺をもらえます。もちろん自分の名前入りのやつ。CUFPでは自己負担ですが、それでも数百円でかっこいい自分の名刺がもらえるとなるとわくわくしますよね!スポンサー様との交流会や、他チームの方との交流会などで名刺のやり取りがをする機会が多くあります。特に大会会場では交流する人数も増えるので名刺をたくさん用意しておく必要がありますね!

#13 調整期

今日は「調整期」のお話。製作期が終わり、いよいよ車両が走れるようになると、「シェイクダウン」という大きなイベントが待ち受けています。「シェイクダウン」とは車両のテスト走行、ここでは「初走行」のことを意味します。車両の状態としてはまだ不完全ですが、フレームは完成してエンジンが載り、タイヤがついて走行できる最低限の状態で走らせます。ここで走行できれば一安心、なんてことはなく、まあ少しは安心できるのですがここからがまた大変です。ただ走るだけでは大会で記録を残すことはできません。エンジンの出力や車両の歪みなどの微調整を繰り返し行い、大会で最高のパフォーマンスを発揮できるようにしていきます。この期間が「調整期」です。

この調整期には3/15に少しお話した「試走会」の日程が多く組まれています。CUFPなどは特にそうですが、大学内など活動場所やその周辺で車両を大会本番と同じように走行させることのできる十分広い土地を確保できないチームなどは、この試走会に積極的に参加して車両を走らせ、データを収集し、活動場所に帰って調整を行い、また試走会に行ってデータを取り…を繰り返して最高の状態に仕上げていくのです。

関東では、茨城県のJARI(日本自動車研究所)様や栃木県のモビリティリゾートもてぎ(本田技研工業)様、東京都の日野自動車羽村工場様などの敷地をお借りして、アクセラ・スキパ・エンデュランスの試走会が行われます。今年も試走会の予定が組まれていて、CUFPも日程や予算の許す限り参加する予定です。大会日程が例年より1か月早いことから試走会日程も前倒しとなっており、関東学生フォーミュラ連盟主催の試走会は4/5から始まります。

試走会は、企業様のご協力も得ながら行われますが、基本的には学生主体で運営されます。試走会会場のコースの設置や終了後の片付けなど、すべて学生が行います。主催の学生フォーミュラ連盟の学生だけでなく、試走会に参加するすべての学生です。試走会で走らせる車両の準備も行いながら、コースの設置やコース上の清掃なども同時進行で行い、大会本番ではライバルであるチーム同士も、全員がスムーズで安全な試走会運営に全面的に協力します。この過程で他チームの方との交流が深まることも。試走会会場はなかなか遠いので疲れますが、現地で得るものはその分多いと思います。

こうして試走会での調整を繰り返しながら大会に向かっていきます。大会の日程などは3/29,30にまとめてご紹介しますね。

#12 製作期

今日は「製作期」について。その名の通り、車両を製作する時期のことです。設計が終わり次第製作期に入るわけなのですが、チームによって製作内容は異なります。もちろん設計が異なるのもそうですが、製作方法も異なり、自分たちで加工できるもの、スポンサー様に加工のご支援をいただかないといけないもの、などまあ様々です。が、どのチームもまずはフレームの製作から取り掛かります。最も基礎となる部分が無ければエンジンも乗らなければタイヤも付きませんから。

製作にはいくつかの作業があります。フレームだけではなく他のパーツでも同じことですが、「治具」というものが非常に重要になってきます。この「治具」は、車両を組み立てていく際にパイプをどこにどの角度で設置するのかを示すガイドの役割を果たします。治具もチームによって姿は様々でアルミフレームを用いるチームもありますが、CUFPでは鋼板を切って穴をあけて複雑に組み合わせながら設置していきます。

治具を立てる作業と同時に、実際に使用するパイプの準備も行います。まずは調達から。スポンサー様にご提供いただいたり、自分たちで必要分を購入したり。手に入れたパイプを、設計図通りに組み立てていくのですが、場所によってはパイプを滑らかに曲げたり、斜めに接合させたりする必要があります。パイプ同士は後々溶接して接合していくのですが、溶接する際にはパイプ間の隙間をできる限り小さくしておくことが重要です。パイプ同士がぴったりくっつくように合わせる作業を「すり合わせ」などと呼びますが、この際には卓上グラインダーというパイプを削る機械を用います。すり合わせは非常に地道で時間のかかる辛い作業ですが、ぴったり合うとめちゃくちゃ気持ちの良い作業でもあります。パイプのすり合わせが終わったら溶接です。簡単に言えばパイプを高温にして溶かして冷やしてくっつける、みたいな感じです。火花を飛ばしながらバチバチやる作業なのですが、このときに発生する光は直視しないようにしましょう。失明の恐れがあります。溶接用の眼鏡をするか、光を見ないように気を付けるかしてください。

CUFPでは大学が春休みに入る2月、3月の期間を使って製作を爆速で進めます。製作期にする作業はパイプの溶接だけではありません。エンジンを載せるための台座や、ドライバー用の座席、エアロパーツなどもこの時期に作業を行います。このあとの「調整期」に入ってから製作しても間に合うパーツはこの限りではありませんが、春休みほど時間を確保できる機会は大会までもうないので、できるだけこの期間に製作してしまいたいですね。

#11 設計期

今日から3日間は年間スケジュールについて説明していきます。大きく分けると3つに分けられると思います。「設計期」「製作期」「調整期」の3つです。今日はこのうち「設計期」について説明していきます。

大会は例年9月頃行われます。大会後も他チームとの交流があるなどすぐに新年度のプロジェクトがスタートすることはないでしょう。チームによっては大会前から次年度のプロジェクトがスタートしているところもあるようですが…少なくともCUFPではそういったことはありません。

大会が終わって一段落すると、新体制でのプロジェクトが始動します。前年度の反省を踏まえて、最初に行うのは新年度のプロジェクトの活動方針を決めること。これを決めないと次の大会で何を目指すのか、そこに向けて何をするのか、チームがバラバラになってしまいます。

チームの活動方針や大会目標などが決まったら、いよいよ設計に移ります。大会目標を達成するためにはどのような車両を作らなければならないのか、その車両を実際に製作するにはどのような設計にする必要があるのか、ゴールから逆算して考えます。設計する際にはスポンサー様からご支援いただいている専用のソフトウェアを使います。はじめは使い方に慣れませんが、使っていけば自然と使いこなせるようになるそうです。自分にはまだもう少し時間が必要です…

設計する際に気を付けなければならないのは、レギュレーションに適合しているか、という点です。レギュレーションとは、学生フォーミュラ日本大会で定められた統一ルールのことで、車両の安全性の確保のためなどに設けられており、このレギュレーションを満たしていないとSESで不合格になったり、当日の車検を通過することができなかったりして、動的審査を受けることができなくなってしまいます。(詳しくは3/11回)

このレギュレーションを満たしていることが絶対条件のもと、各チームはそれぞれの目標達成のために「個性」を車両に詰めていくことになります。この「個性」は加速性能に優れた車両なのか、それとも旋回性能に優れた車両なのか、といった車両の特徴のことですね。

この設計は遅くとも大会の半年前頃にはある程度完了している必要があります。SESを提出する必要があるからです。実際には、設計が完了して製作に取り掛かっても、製作過程で設計のミスが判明して修正を加えていくこともあります。もちろんレギュレーションは満たした状態で、SESと変わらないようにしながらですが。

#10 プレゼンテーション審査

今日は静的審査の残り1つ、「プレゼンテーション審査」です。これは何か、そうです、プレゼンテーション能力を評価する審査です。『審査のコンセプトに沿い、製作会社の役員に設計上の優れていることを確信させる』という状況を仮定してプレゼンが行われます。各チームがスタートアップ企業になりきり、自社で開発した学生フォーミュラ車両を相手企業に製造委託する、という設定です。

こちらも大会およそ3か月前にBusiness Plan Proposal(BPP)という事前資料を提出する必要があります。大会会場で行われる審査では、このBPPに書かれた事業概要をもとに、10分間のプレゼンテーションと、10分間の質疑応答が行われます。審査員はBPPに目を通した状態でプレゼン発表を見るので、BPPと大きく異なる内容を発表してしまうと減点となってしまいます。また、前回大会におけるプレゼン発表の事業概要をベースとして、それを改善した事業を提案するか、もしくは継続できない理由を明確にしたうえで新たな事業を提案することになります。

#9 デザイン審査

今日は静的審査のうち「デザイン審査」について説明します。事前に設計資料を提出して、大会会場で行われる審査では実車と見比べながら設計や製作の適切さを審査します。設計資料では、過去車両からの変更点について、それぞれどのような背景に基づき変更されたのか、すべてにおいて根拠となるデータを明らかにする必要があります。このほか革新性や加工性、補修性や組立性などについても、審査時に口頭で試問されます。

静的審査の中では100点満点のコスト審査、75点満点のプレゼンテーション審査を上回る150点満点の配点であるデザイン審査は、自チームの車両の特徴をアピールしながら点を伸ばすことのできる、これまた落とすことのできない審査です。もちろん、他のチームと比べてこう違うんです、と猛烈な印象を与えることができてもきちんと速い車両でなければ総合成績を伸ばすことはできませんが、設計するときにはロマンを詰め込みたくなるものですよね…

こちらも大会のおよそ3か月前には事前資料を提出する必要があります。製作期にはいかに設計通りに車両製作を行えるかもカギとなります。

#8 コスト審査

昨日までは動的審査の内容を一つずつ説明していきました。大会日程的には順番が逆になってしまうのですが、今日からは静的審査の内容について説明していきます。個人的には静的審査の内容が一番わかりにくくて、今でも完全には理解できていません。静的審査についてすべてを完璧にわかりやすくは伝えられないのですができる限りのことはします…

今日は「コスト審査」についてお話します。コスト審査はその名の通り「コスト」に関する審査です。何に対する「コスト」かというと車両製作にかかるコストのことです。速くて強い、かつ安全性の高い車両を製作するにあたって、部品の耐久性や精度を含めた信頼性を重視することは非常に重要です。しかし、信頼性だけを追い求めてしまうと、莫大な費用が掛かってきてしまいます。

学生フォーミュラでは、低コストで信頼性の高い部品を使い車両を製作することが求められており、これは広く一般において企業に対しても言えることです。部品を購入するコスト、部品を加工するコスト、また一から生産するコスト、さらに生産する際に小数生産か、大量生産か、など、考慮すべき点はたくさんあります。大会のおよそ3か月前までに必要な資料をすべてそろえて提出します。

また、実際の車両製作にかかった費用の計上だけでなく、示された部品について、コスト上の課題を見つけ、その課題を解決するための設計変更案を提出するなど、課題提案と課題解決のプロセスと対策案の的確さを審査します。

部品点数も多く、車両製作に用いられる部品すべての設計図やデータを資料としてまとめる作業が気が遠くなるほど大変らしく、実際の車両製作とコスト資料作成のバランスをいかにとるかも一つのポイントになってきます。

#7 エンデュランス・効率

投稿7日目の今日は、「エンデュランス」について説明します。エンデュランスは、オートクロスと同じコースを2人のドライバーで合計20周走行し、そのタイムを競います。1周約1kmなので、合計で約20km継続して走行することになります。これにより、車両の安定性や耐久性などの総合的な性能を評価します。配点は審査の中で最も高い275点満点です。

1週間かけて行われる大会の最後に行われる競技で、特に大会最終日に走行する「ファイナル6」と呼ばれる組は、全体で上位6チームが走行を許される、多くのチームが目指している走行枠です。昨日もお話したように、エンデュランスの走行順はオートクロスのタイムによって決まりますが、ファイナル6に入ったからとはいえエンデュランスでも上位に残れるとは限りません。約20kmの走行は夏の暑い環境ではマシンにも強い負荷がかかり、完走することすら難しいのです。車両が蓄えてしまう熱を下げるシステムが正常に作動するか、走り続けてもフレームなどが折れることなく耐えられるか。完走するためには乗り越えなければならない壁がいくつもあります。

これらの壁を乗り越えるために、各チームは大会数か月前から「試走会」に参加します。主に授業のない週末に、各地の学生フォーミュラ連盟や支援してくださる企業様主催で行われます。GW頃から本格的に試走会が始まり、回によってアクセラやスキパを集中的に走行するときや周回走行を行うときなど様々で、各チームそれぞれの試走会で課題を見つけては拠点に返り改善を行う、といった作業を繰り返して大会に向けて調整を行います。特に大会直前期には周回走行を行う試走会が多く、大会当日と同様の暑いコンディションの中で車両の冷却性能などを検証することは非常に重要です。

ちなみにエンデュランス中に天候が悪化してしまうこともあります。2025年大会がまさにそうで、今大会ではエンデュランス中に2度もゲリラ豪雨に見舞われました。CUFPもその被害を受けたチームの一つです。エンデュランスでは2人のドライバーがそれぞれ10周ずつ走行します。前半ドライバーが走行を終え、後半ドライバーが走行を始めたところで雨が降り始め、次第に強くなっていきました。そのときタイヤは、乾いた路面に最適なスリックタイヤを装着していました。タイヤに溝がなく雨に濡れた路面の走破性は最悪なので、途中で溝のあるレインタイヤに交換する作業に追われました。無事完走することはできましたが、豪雨のため視界も悪く、レインタイヤを履いていても路面は滑りやすくスピードを出せないためタイムを縮めることはできませんでした。雨だからと言ってタイムに関して救済措置があるわけではないので、これはもう完全に運次第ですね。

エンデュランス後には「効率」という本当に最後の審査があります。これはエンデュランス走行を終えたマシンの、ICVなら燃料消費量、EVなら電力消費量を評価するものです。この審査を終えて大会での動的審査はすべてが終了となります。

#6 オートクロス

今日は「オートクロス」について説明します。オートクロスは直線・ターン・スラローム・シケインなどの約800mの複合コースを1周走行し、そのタイムを競います。スラロームとは、9m間隔に置かれたコーンの間を、右左右左と縫うように進むコースのことです。また、シケインとは、長い直線の後に設けられる車両を減速させるための鋭角コーナーのことです。125点満点の競技です。

こちらも幅5mのコースで、両側にはコーンが設置されています。コーンを倒すとペナルティーが課せられるほか、コースアウトしてしまった場合も、コースアウトした地点より手前からコースに復帰しないとさらに大きなペナルティーを受けることになってしまいます。ドライバーはとくにルールをよく理解しておかないと全体成績を下げてしまう恐れもあるので要注意ですね。

このオートクロスのタイムで、翌日以降に行われるエンデュランスの走行順が決まるため、各チーム絶対に落とすことのできない種目の一つでもあります。エンデュランスは2日かけて行われるのですが、2日目に「ファイナル6」と呼ばれるオートクロスのタイム上位6チームが走行する組が存在します。このファイナル6の走行が動的審査最終走行となり、一番の盛り上がりをみせるため、各チーム「ファイナル6」を目指してオートクロスでの好成績を狙っています。CUFPはICV、EV合わせて総合7位でしたが、上位の走行チームの組み合わせの結果ファイナル6での走行を果たすことができました。

CUFPはICVクラスのオートクロスで4位だったのですが、0.225秒差でファイナル6に入れなかった5位チームが迫ってきており、コンマ何秒の差でファイナル6が決まる、これもまた厳しい戦いが繰り広げられます。多くのチームがこのファイナル6を目指してオートクロスを走行するのでどのチームがファイナル6入りを果たすのか注目です!