“ひゃくれつ肉球”について

熊田です。

先日、エアロ小屋の掃除を手伝っているときに、無意識に小屋のドアを両手の人差し指で何度も押していました。その時、何年も忘れていた、小学生時代の問がフワッと殴りかかってきたんです。

皆さん、ひゃくれつ肉球は知っていますか?妖怪ウォッチというコンテンツに登場する地縛霊の妖怪である、「ジバニャン」が得意とする奥義で、遺恨の原因であるトラックを止めるために編み出したものです。やり方は、向かってきたトラックに自身の拳を高速で何度もぶつけるという、かなり乱暴なものではあります。

さて、小学生時代に妖怪ウォッチにどっぷりはまっていた私は、当然その奥義を学校や家庭で披露していたわけです。しかし、リアルではうまくいかないことに気づく時がやってきました。よく覚えていませんが、何か重たいものがあって、それを前方に押し出すという作業が必要になった時に、友人の前で奥義を披露してみました。が、当然全然進まず、力を込めて押しこむと、ようやく進みました。当時の私は、抵抗というものを知らなかったので、なぜ目に見えて早い運動をしているのに、不発に終わったのか分かりませんでした。この経験を経た私は、ジバニャンのやり方に懐疑的な目を向けることになります。

そして今に至るのですが、いろんな概念を学んで、見方を変えればジバニャンのやり方もありなのではないかと思いました。ガレージで作業をしている時に思いつきました。ひゃくれつ肉球を、高速で質量を平面に何度もぶつけるという解釈に置き換えましょう。はいそうです、気体分子運動論の考え方に酷似しています。これにもっと早く気がついていれば受験勉強が少しは楽しくなったかもなとか。そうかそうかと。これを思いついたときはニヤニヤが止まりませんでした。もしかしたら、200年以上前の分子運動論の偉大なる開拓者たちもドアに向かってひゃくれつ肉球をかましていたのかなと。この経験から、圧力を思いついたのかなとか。フィロソフィーは受け継がれているのかとか。とにかくゾワゾワしました。

近日、塾講師としての仕事が始まります。小、中学生にこの奥義を伝授しておこうと思います。奥義の使い道は彼らに任せますが、いつか思い出してほしいです。