今日からは大会会場で行われる各審査について詳しく説明していきます。
大会会場では動的審査、静的審査の両方が行われますが、このうち動的審査で車両を走行させるためには大会の最初に行われる「車検」に合格しないといけません。皆さんが普段乗っている自動車にも車検ありますよね?車検に合格できないと道路を走ることができないように、学生フォーミュラでも車検に合格しないと動的審査のスタートラインに立つことができません。
学生フォーミュラでは、車両の製作において厳しくルールが定められています。これは安全性を確保するためのもので、万一車両が壁に衝突したり、横転したりした時にドライバーを守ることができるよう安全面に関しては厳格に定められています。車検ではこの走行における安全性をチェックしています。
車検を受けるにあたっては、前もって「SES」を提出しておかなければなりません。「SES」とは「Structural Equivalency Spreadsheet」の略で、ルールに定められている基準構造と同じかそれ以上の強さや安全性を、車両が兼ね備えているかを証明するための資料です。大会の半年前に提出する必要があるため、それまでには車両の設計を終わらせておかなければなりませんね。車両の設計については3/19に詳しく説明します。この他、EVチームは「ESF」と呼ばれる資料を提出することが求められます。CUFPはICVなので、ESFが何なのか、正直私にはわかりません。これから勉強します…
それでは、車検ではどんな検査をするのか、軽く説明します。
まずは「機械車検」。ルールに定められた車両の設計要件や安全性に問題が無いかを一通りチェックします。もし問題が生じても、調整を行い再度車検を受けることができます。
次に「脱出」。万一事故が発生したときにドライバーが車両から素早く脱出できるかをチェックします。これは5秒以内に、シートベルトを装着した状態から地面に両足を着けるまでを行う必要があります。
次に「フラッグ」。動的審査時には緑や赤、青などのフラッグが振られることがあり、ドライバーはこのフラッグを瞬時に理解し適切な行動をとらなければなりません。これも安全のために必要な項目で、フラッグを見逃すとペナルティーが課せられます。
次は「チルト試験」。燃料が漏れてしまうと火災につながるため、車両を横に45度傾け、液体の漏れがないかを確認します。また、さらに60度まで傾け、ドライバーが乗車している状態で横転しないかもチェックします。
次は「騒音試験」。指定されたエンジン回転数や位置において、排気音が110dB以下であることを確認します。100dBが「電車通過するときのガード下」の音とされ、声を張らないと会話ができないうるささです。
次はEVクラスに参戦する車両のみが受ける項目、「電気車検」。車両を動かすために高電圧を扱うため、電気的に安全であるかをチェックします。この項目に合格しないと「機械車検」に進むことができません。
次もEV車両のみが受ける項目、「レインテスト」。動的審査の途中に雨が降ることもしばしば。車両に2分間水をかけ続け、さらに2分間車両を置いておき、漏電が起きていないかを確認します。
最後に「ブレーキ試験」。勢いのついた走行状態でブレーキを踏み込み、4輪すべてがロックするかを確認します。最近の自動車には「ABS」と呼ばれる安全装置が搭載されており、急ブレーキをかけてもタイヤはロックせず、スリップしないようになっていますが、ガクエフ車両は完全にタイヤがロックする必要があります。
さて、これらの試験をすべてクリアして、ようやく動的審査に出場できるようになります。道のりは長いです…いかにこれらの試験をスムーズにクリアできるかが、その後の大会スケジュールに大きく影響してきます。車検の通過状況も公式サイトで随時公開されますのでこちらもご覧ください。